2010年にオースオラリアにて重度のパニック障害を発症。自然代替医療であるホメオパシーで治療を続けたところ、次第にスピリチュアルで不思議な体験をする様になる。2014年に壮大な一瞥体験をし、悟りの世界を垣間見も、パニック障害は完治せず。その後、1000年以上も前の古いの先祖の魂たちの除霊へと展開してゆく。
現在も続いている真実の探求の実話。第4話
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水辺線の彼方へ
妻は宣言した通りに、近所にあるカレッジでホメオパシーの勉強を始めた。いったん決意すると行動が早い彼女らくし、妊娠3ヶ月目の彼女は、胎動教育も兼ねてと情熱的に勉強に取り組んだ。
僕の方は、相変わらず雲で覆われている様なウツウツとした気分で過ごしていた。
そんなある日、エネルギーに満ちあふれている自分に戻りたいといる願望がムクムクと立ち上がり、パトリシアに連絡するせず、僕はオピウムのレメディを再度服用してみる事にした。
前回と同様に3滴レメディを舌下に垂らす、するとどうであろう、体にエネルギーが満ち溢れるどころか、心臓がバクバク鼓動を始め、不安感がなく無くなるところか、不快感がましてきた。
夜ベットに入り、眠ろうとするとだけれど心臓が全速力で走ったままだ。妻に相談すると、「それは、レメディが合わなかったから、アグリベーションを起こしたのね」という。
アグリベーション(aggravation)の意味がわからなかったが、何かが不調和を起こしているのだ。おそらく、レメディの雰囲気と僕の雰囲気が合わないのであろう。そんな感じだ。
そうなんです、身を持って体験しました
妻は、マテリア・メディカと呼ばれているホメオパシーの辞書をめくりながら、「コーヒーのレメディね」と言った。心臓がバクバクして不眠で悩んでいるのに、コーヒーのレメディなんて変じゃない?と僕は思った。
妻は、カレッジで勉強をはじめてから、まだ数ヶ月しか経ってないのだ!大いに不安を覚えたが、「これ、学校で勉強したばかりなのよ」と自信のある様子だ。
彼女は、リップスティックより若干細い円柱のプラスチックケースを取り出し、その中から白くて丸い錠剤を蓋の上に取り出した。大きさは、金平糖の半分くらいの大きさだ。
「指で触らないで、蓋の上にのせたまま直接口の中に放り込んでね」僕は、その通りにした。ほのかに甘い味が口の中に広がった。すると、どうであろう、バクバクしていた心臓の鼓動が、一瞬にして何もなかったかの様にいつも通りに戻り眠気に包まれていった。
その夜、ぐっすりと眠れた事は言うまでもない。
ホメオパシーでは、不眠の人にコーヒーのレメディを与える。コーヒーのレメデイなんて眠れなくなってしまうのではと思うがこれで良い。
理由は、コーヒーのレメデイを摂る事で、眠れないという状態をさらに強く作ることで、体がビックリして眠くなるのだ。
これはまるで、真冬の冷水を浴びるのにそっくりだ。体は一瞬冷えるが、そのあとポカポカと体が芯から温まってく。
西洋医学とのアプローチと比較してみると、冷え性の人が服をたくさん着込むのが西洋医学で、冷水を浴びるのがホメオパシー的な手法だと言える。
この様にして、ホメオパシーでは、人間が本来持っている正常な状態に戻ろうとする力である「自己治癒力」を引き出す事で健康な状態に戻るのだ。
*
それからしばらくたって、パトリシアに会いに行った。オピウムのレメディを再度服用し、症状が改善するばかりか、悪くなった事に説明した。彼女は、だから言ったのにと少々不機嫌な様子だった。
彼女が言うには、最初にレメディを服用した事と、二度目に服用した時で僕の全体像(ピクチャー)が違っているから、アグリベーションを起こしたと説明してくれた。
多分、1度目と2度目で僕の”雰囲気”が違っているからなのだろう。やれやれ。
これから、10年間にもわたる僕のホメオパシーとの長く、壮絶な、治療と覚醒の旅が始まるとは想像もしなかった。
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