筆者の覚醒物語

「地平線の彼方へ」 浄化編(4)スモークヒーリング

カラダが大きくガクガクと震え始め、顔から血の気がスーッと引いていった。 

僕の、内蔵がバラバラになってゆく、 

あまりの苦しさに耐えられず椅子から転げ落ちそうになる。 

小林先生は、そんな僕には構わず、倒れそうになる僕の体を支えながら、 

再度マントラを唱え葉巻にスピリチュアルなエネルギーを満ちさせていく。 

先生が吐き出した、スモークを僕は辛うじて鼻から吸う、 

吸った瞬間あまりの苦しさに、鼻水と涙が止まらない、 

「ゲホゲホ」と激しく咳き込みながら、椅子の上で飛び跳ねる様に、僕はもがき苦しむ、 

先生は僕を椅子に、押さえつけ、3回目のマントラを唱え、煙を吸い始めた。 

このまま死ぬのだと本気で思った。 

この苦しみはまるで、麻酔無しで内蔵摘出の外科手術を受けている様な凄惨な光景だった。 

これをあと2回もくり返すのだから、ありえないと思った。 

頭の中はもうろうとし、トランス状態の様でもあった。 

かろうじて、残り4回のスモークを吸い込み、 

最後に、ホーリーブレスと呼ばれている、煙のない息だけを吹きかけられた。 

ホーリーブレスを吸い込むと気分が多少落ち着つくはずだったのだが・・ 

ところが、僕は突然立ち上がり 

「ウ、ウゥ、ウオー!」と大絶叫を始めた。 

腹の奥底で眠っていた箱の扉を開け、溜まりに溜まった、ヘドロの様な黒いものを引っ張り出してきた瞬間だった。 

先生はリビングの窓をピシャリと閉めた。 

今ままで、抱え込んでいた負の感情が一気に吹き出した。 

数キロ先まで、絶叫が聞こえるのではないかと思えるくらい、文字通りの大絶叫だ。 

膨大なエネルギーが口から吹き出していた。 

誰にも絶叫を止めることはできなかった。 

最初は、自分のマイナスの感情を解放しているのだと思っていた。 

だが、途中から様子がおかしいのに気がついた。 

明らかに“自分以外の存在”が僕の体を借り大絶叫しているのだ。 

その存在は、四方に広がる関東の大地のエネルギーを、 

地平線の彼方からひっぱり、ルートチャクラを通して全身に吸い上げる。 

エネルギーを怒りの感情と伴に、大絶叫にのせて解放していた。 

その解放のエネルギーは、膨大で、溜に溜まった、 

底なしの赤黒いヘドロを絶叫という形に変化させ、解放、浄化しているのだ。 

大絶叫は、数分間も続き、次第に勢いを失っていった。 

僕は、床に倒れ込んだ。完全に放心状態となった。 

今起こった出来事が自分でも信じられなかった。 

僕は、物静かな性格だし、大声で叫ぶことなんて人生で一度もなかった。 

スモークヒーリング後、スッキリした感じもあったけれど、 

それより”怖い”と思う感覚が強く残った。 

先生は、僕が絶叫している間も全く動じる様子もなく、平然としていたのには、驚いた。 

次第に気分が落ち着きはじめたので、新しい瞑想の伝授を受けた。